2025.08.01
メディア展望
『メディア展望』8月号発行のお知らせ
編集長の一言二言(8月号)
■今月のトップページには、今年6月に「戦後80年とメディア」と題して開催したシンポジウムの概要を掲載しました。インターネットの普及、個人が自由に情報発信できるSNSの登場で既存のメディアは今や「オールドメディア」と批判を浴び、メディアを取り巻く環境が激変しました。パネルディスカッションでは、新聞やテレビなど既存のメディアはどう対応すればいいのか。その行き着く先にはどういう情景が広がっているのか。各界の専門家が既存メディアへの苦言や注文、アドバイスや今後の展望などを交え活発な議論を行いました。ぜひ、ご一読ください。
■7月の参院選で自民、公明両党が歴史的大敗を喫し、衆参両院で少数与党に追い込まれる結果となりました。昨年の衆院選や兵庫県知事選では、SNSが選挙結果に大きな影響を与えた一方、既存のメディアは「中立性」を重視するあまり、有権者が求めている情報を伝え切れなかったという指摘もありました。このため、編集部では、今回の参院選で新聞やテレビなど既存のメディアが、選挙報道をどのように「刷新」したのか、そして候補者の発言や虚偽情報も飛び交うSNS情報に対するファクトチェックが十分だったのかについて検証した記事を掲載しています。
■8月に広島、長崎への原爆投下から80年を迎えることから「被爆80年特別企画報道写真展」を広島市で開催し、併せて太田昌克共同通信編集委員と中国新聞社の金崎由美ヒロシマ平和メディアセンター長による対談を企画しました。写真展、対談ともに多くの反響が寄せられました。今月号には、今、新たに「平和」の意味を問い直す対談の概要を掲載しています。
■昨年から続く「米不足」問題は、価格高騰を招き、流通システムも不透明で分かりにくいという指摘がありました。共同通信アグリラボの石井勇人編集長に米の価格高騰の経緯を振り返るとともに、その背景や農林水産省の米行政の対応、問題点など農業政策に精通した記者の立場からまとめていただきました。( 一ノ瀬英喜)