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2023.11.01

メディア展望

『メディア展望』11月号発行のお知らせ

編集長の一言二言(11月号)

■10月22日に投開票された衆参補欠選挙は1 勝1 敗で与野党が痛み分けの結果となりました。補選で弾みをつけ、政局の主導権を握る腹積もりだった岸田文雄首相とっては事実上の敗北に等しく、目算が狂ったようです。内閣支持率の低迷にあえぐ岸田首相ですが、防衛費の増額と総合経済対策の財源や整合性を巡って迷走し、補選の結果を受けて「年内の衆院解散は到底無理だ」との声も漏れています。SNS では「増税メガネ」「検討使」などと揶揄されていますが、岸田首相の発言を聞いても、検討するばっかりで、何がしたいのか判然としません。政局を指南できる側近も見当たらず、政策は役所任せでは「官邸主導、政治主導なき安倍政権の継承」と言われても仕方ありません。このままではまたぞろ「岸田首相では選挙が戦えない」との声が広がりかねない状況です。

■今月号のトップには、10月の定例講演会の講演録を掲載しました。講演会では、TBSテレビ常勤監査役の西野智彦氏に発足から半年を迎えた日銀の植田和男新体制の「次の一手」について解説していただきました。西野氏は日銀の金融政策を長年取材し、今年度の日本記者クラブ賞を受賞しています。黒田東彦前総裁による「黒田バズーカ」と呼ばれる異次元の金融緩和から丸10年。日銀の出口戦略に注目が集まる中で、植田総裁のかじ取りが焦点です。

■ウクライナ戦争が膠着する中で、今度はイスラム組織「ハマス」とイスラエルが戦争状態に陥り、国際情勢は混迷の度を深めています。国連の機能不全は今に始まったことではありませんが、中東情勢から一歩引いた米国の指導力低下も混迷に拍車をかけています。共同通信の杉田弘毅特別編集委員の記事では、米国の抱えている問題点や背景を説明しています。米国では共和党の内紛で下院議長が3週間にわたって空席となる事態に陥りました。来年の大統領選に向けて、米国内の分断は一層激しくなる見通しです。米国の動向はウクライナ戦争や中東情勢の行方に関わるだけに、目が離せません。(一ノ瀬英喜)