2025.11.01

メディア展望

『メディア展望』11月号発行のお知らせ

編集長の一言二言(11月号)

■今月号のトップページには時事通信の水本達也外信部長の講演録を掲載しました。第2 次政権発足直後からトランプ大統領の言動が世界中に混乱を巻き起こしています。対外的には世界中の紛争を解決したと成果を誇示し、結局は幻に終わりましたが、ノーベル平和賞をもらうのは自分だと言わんばかりでした。ウクライナ戦争では対応が二転三転し、ロシアのプーチン大統領の手のひらで踊らされているようにしか見えません。国内では政策のつまずきや混乱は全て極左集団、バイデン前大統領以下の民主党に押し付け、今や怖いものなしの「王様気取り」です。トランプ氏とは一体何者なのか。トランプ氏の描く世界はどういうものなのか。そしてトランプ氏を抱える米国や世界で今、何が起きているのかについて「王」「政権」「中国」の三つをキーワードに解説していただきました。

■トランプ政権下でメディアへの〝弾圧〟が続く米国では「言論の自由」が風前のともしびと危惧する声が広がっています。次の騒動の舞台は国防総省(ペンタゴン)で、トランプ氏の熱心な支援者の元FOXニュースのアンカーだったヘグセス国防長官の指揮の下、庁舎内の取材エリアを大幅に制限し、記者に大幅な取材規制の文書への署名を求め、反発した報道陣が庁舎から退去する騒ぎとなっています。津山恵子氏の海外情報(米国)では、今回の騒動に加え、政敵を政権から追放し、さらには司法省を使って次々と訴追に持ち込んでいる現状も報告していただきました。

■今月号の特派員リレー報告は時事通信の本杉邦夫シンガポール支局長です。シンガポールと言えば経済立国で世界でも有数な国際金融センターのイメージが強いですが、「世界報道自由度ランキング」では180カ国中123位で、経済面の高評価とは大きなギャップがあります。事実上の一党支配体制が続く中で、党主導の独特なメディア規制が背景にあるようです。(一ノ瀬英喜)